2018.06.15 Friday 10:18

算数と「3つのT」

(NPOサイトにいただいた感想と、それに対して掛札がお尋ねした内容に対するお答え=疑問、をまとめました)


 本を読むのが好きな保育士です。図書館でいろいろ探しては、おもしろそうだな〜と思う本を借りてきては読んでいます。内容に説得力があり、興味をもってぐんぐん読んでいきました。ただ、途中、難しいことが書いてあり、理解するのに、2度読みしているうちに集中力がなくなって、完璧理解はできずで残念したが。
 「応答的な関わりが大事だよね」とよく、仲間で話をしていましたが、その理屈を今ならわかりやすく、保護者に伝えられそうです。大変参考になりました。
 最後の方に書いてありました保育についての考え方も「そう、そう、そうなんです〜」と叫びたいぐらい同感しました。もっと保育を大事にしたいと思いました。また、ここで掲載されている内容から安全に対する情報を集めたり、学んだりしてがんばります。

 

(上のメールに対し、「どこが難しかったですか?」とお尋ねして、いただいた疑問点)

本の中で、よくわからなかったのは、算数と「3つのT」の部分です。
ひとつずつの項目の内容は、なんとなく、あー、なるほどとわかるのですが、それが、最後の結局のところ、算数は基本的なスキルの一つなのでしょう。とありますが、算数も、言葉が基本となっているということ?
と、すっきりわかるような?わからないような?となってしまったのです。

 

 


Comment:
2018/06/16 8:30 PM, 掛札逸美 wrote:
 私もこの「基本的なスキルのひとつなのでしょう」は、ちょっと乱暴にまとめているなあと感じました。

 とはいえ、概念、それも基数概念に対する「慣れ」という意味では、数に関する言葉を豊かに耳にすることがまず重要なのでしょう。

 また、あらゆる言葉に関して「言葉−概念」「言葉−モノ」の間の関係を幼い頃から豊かに見て、聞いて、感じていることで、脳の処理速度が実際に速くなるわけですから、それは、後に算数や数学の課題を「考える」時に明らかな利点となるということだと思います。

 「3000万語」ウェブサイトの「最新の研究」に載せた「生後6か月児、言葉の意味理解と環境」をお読みいただくとおわかりの通り、この「言葉−モノ」「言葉−概念」を学ぶ上で、画像や本の上でみるよりも、「実際のモノ」を目にして聞くほうがいいということもわかっているようですし…。
2018/07/09 8:29 PM, 伴野由希子 wrote:
 ちょっと違う意味合いになるのかもしれませんが、1歳ごろの子どもと関わっていると、私と視線を合わせて、言葉とモノを理解しているような感じの印象を受ける時があります。例えば、目の前にある絵本数冊をA子は自分の方へ取り込んで私の方へ視線を移して、なにか読んでほしそうな表情をしました。そこへ、B子がやってきて、A子の前にあった絵本をもって行こうとすると、A子が「ううー」と怒りました。私が、「Aちゃん、たくさんあるからひとつ貸してあげようよ」と言うと、A子は絵本を1冊B子に差し出しました。私の言ったことがわかっている?いや偶然?と思っていました。たくさんと1つということがわかっているのかどうなのか、と思っていますが、専門性に欠けた保育士が対応すると、子どもの言葉の成長に気が付けず、ずさんな対応になってしまうのが残念です。この本に出合うことができ、(保育園用ではないとありましたが)保育がますます、おもしろくなりました。ありがとうございます。
 
2018/07/12 5:37 PM, 掛札逸美 wrote:
伴野先生、

コメント、ありがとうございます。

本書の中に「最初は単なる音の流れ」という言い方が何度か出てきます。たとえば、「〜ちゃん、おむつかえるよ」という言葉。数か月の子どもには「単なる音の流れ」だけれども、この「音の流れ」の塊はその子はわかっていくのです。まずは、意味としてではなく「音の塊」として。日本語を知らない人が、「こんにちは!」という言葉を聞いても意味はわからないですよね。でも、「こんにちは!」を何度も聞いていたら、その「音の流れ」はわかる。そして、「どうも、これは人に会った時に口から出る音のようだ」と思うわけです(学ばなくても)。

だから、保護者や保育者が「〜ちゃん、おむつかえるよ」とあたたかいトーンでいつも同じに言っていたら、子どもは「あ、この音の流れが聞こえたら、気持ちがよくなるんだ(おむつを替える意味もわからないけど)」と感じるでしょう。

先生がおっしゃっていることも同じかもしれません。「〜ちゃん、貸してあげようよ」という言葉は保育士さん、けっこう言っていますから、先生が本を見て、Aちゃんを見て、Bちゃんを見て、「Aちゃん、貸してあげようよ」と言ったら、Aちゃんはその文脈を理解するのかもしれません。もちろん、偶然かもしれません。でも、貸してあげれば保育者が「Aちゃん、ありがとう。Bちゃんもありがとうって」と笑顔でいい、Aちゃんには「本を差し出した行動が、なんだかよくわからないけど、先生の笑顔につながった」と、またまた理解するわけで…。

「3000万語の格差」ウェブサイトの「最新の研究」の「6か月児」の所に紹介した通り、6か月児も言葉の意味を大枠で理解しているわけです。だから、伴野先生がおっしゃっていることはあながち間違いではないように私には思えます。

保護者であれ保育者であれ、常に一定の(一貫した)あたたかいトーンで、同様の言葉、同様の話しかけを続けることが、乳児にはすごく大事なのかなと思います。決まりきった言葉で話しかけていたらつまらない、とおとなは思うのかもしれませんが、本書にも書いてある通り、特に乳児にとっては「一貫性」が重要ではないかと。
2018/07/13 9:43 AM, さんすう wrote:
算数は極度に抽象化された言葉の世界の一部のような気がします。大学の一般教養で教わった論理学では、話し言葉を記号に置き換え式にして、言っていることが論理的に真だとか偽だとかを導いていました。
数式は世界の神羅万象、宇宙を記述する言語にもなります。いずれにしても、人間の思考を形に表すという点において、言葉も数式も同じではないかと思います。

2018/07/22 7:32 AM, 伴野由希子 wrote:
数式と言葉、おもしろいです。

一貫性の重要性もよくわかります。
単調ではない、一貫性という感じがします。毎日、そんなに変わらないなぁと思って、子どもと接していても、うん?あら?なんか違う?と微妙な変化に気がついて、ニンマリ、している時があります。
一貫性があるから、何も分からなかった赤ちゃんが学習していくのかな、と考えて読みすすみ、なんだか、私自身が成長したような気がして、ほんと、おもしろいわー、と思いました。
いろいろ解説していただき、ありがとうございました。

ちなみに、今、保育士仲間に、この本いいから読んでみて、と貸しています。
お互いの感想や意見を言い合うのが楽しみです。
また、疑問が出たら、コメントします。
その時は、よろしくお願いします。
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